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埼玉県三郷市で自動車整備業を営む東和自動車株式会社は、設立から70年。社長の大山貴洋さんは朝日信用金庫で10年間、勤められていたOBです。営業職として活躍されていましたが、父上の急逝を受けて事業承継をされました。経営は初めてでしたが、4年で売上規模を約2倍に成長させています。そんな大山さんに、朝日信用金庫での経験がその後の人生にどのように活きているかについて、お話を伺いました。
東和自動車株式会社
代表取締役社長大山 貴洋

―朝日信用金庫では、どのようにキャリアを積まれたのですか。
東和自動車/大山氏(以下敬称略)私は「地域に根ざして働きたい」という思いから、2010年に朝日信用金庫に入庫しました。そこから10年間、営業畑を歩み、担当エリアの企業や商店を一軒一軒訪ね、資金繰りや事業の相談に乗る日々でした。最初に仮配属された西町支店でも、本配属された本店でも上司や先輩方に恵まれました。ご指導いただくなかで、初めて表彰を受けることができたのは良い思い出です。その後、転勤した合羽橋支店でも上司や同僚に恵まれ、二度の表彰をいただくことができました。ここでは中堅職員として後輩の指導も行うなど、視野も広がりましたね。その後に異動した豊島町支店では法人営業を担当して融資(純新規貸出)部門でも表彰を受けました。営業係長に昇格して、部下のマネジメントも経験させてもらっています。
―順調に10年間を過ごされたのですね。
東和自動車/大山もちろん良い時ばかりではありませんが、幸い朝日信用金庫では上司や先輩、同僚がとても温かいのです。それは、私の周りがたまたまそうした環境だったわけではなく、「コミュニケーションを深め、いきいきした職場をつくろう」と役職員の行動指針にもあるように、長年かけて培われてきた風土なんですね。また、新入職員1~2名に対して別店舗の先輩職員がメンターとなる制度や、相互の支店で職場OJTを行うクロスメンター研修など、若手をフォローしてもらえるような仕組みもあります。そうして自分が成長を求めて進んでいけば助けてくれる人がいるので、失敗を恐れず挑戦ができました。何度も表彰を受けられたのも、そうした環境だから頑張れたおかげだと思います。
―朝日信用金庫で働くなかで、ご自身が大切にされていたことを教えてください。
東和自動車/大山「お客様に喜ばれる仕事をすること」ですね。もちろん営業職ですから目標があり、それを達成することは重要です。しかし、目標達成のためだけの一方的な提案や利己的な営業では、長い目で見てお客様に選んでいただくことはできません。だからこそ、私は日々の何気ない会話から「このお客様は何を求めているのか」「どのようなことに喜んでいただけるのか」を常に意識し、一人ひとりに寄り添った対応を心がけるよう努めてきました。また、他行の営業に負けないために、「迅速に」「正確に」「丁寧に」行動することを信条としていました。
―その後、家業を承継されたそうですが、どのような経緯だったのですか。
東和自動車/大山父が急逝したため、家業である東和自動車株式会社に入社し、2024年8月より代表取締役社長を務めています。もともと家業を継ごうとは、全く考えていませんでした。朝日信用金庫でやりがいを感じていましたし、何より、ようやく「信用金庫人」としての能力も身についたところ。お客様のお役に立てる手応えを感じ、いよいよ育てていただいた方々に恩返しする番だと意気込んでいたんですね。しかし振り返れば今の自分があるのも、祖父が設立したこの会社があり、そこで働いてくれている社員たちのおかげです。彼らを守る使命があるとの思いから、家業を継ぐ決意を固めました。
―事業承継直後には、経営者としてどのような課題に直面されましたか。
東和自動車/大山当社はもともと技術力の高さから、地域の固定客を中心に堅実な経営を行っていましたが、お客様の高齢化による免許返納に伴い顧客が減ってきていました。新規のお客様も年間わずか3組という状況で、このままでは赤字が広がるばかりという状況だったのです。そこで、まずは朝日信用金庫で培われた「お客様に喜ばれる仕事をすること」だと考え、できることからどんどん着手していきました。たとえば、入りやすい店舗づくりとして外観を修繕したり、応接スペースを新設したりといったことです。また、中小企業には珍しかったスマホの車検予約システムを導入したり、グーグルの口コミ評価にも細やかに対応しました。このように何かに取り組むときにはスピード感も大事。これは信金時代にお客様に迅速に対応してきた経験からの学びです。
―その後、経営は順調に進まれましたか。
東和自動車/大山競合との差別化もでき、業績は徐々に改善できたのですが、私自身が経営者として組織づくりなどの悩みが重なり、体調を崩してしまうほどでした。そこで、改めて立ち返ったのが、企業理念である「正直に。人に喜ばれる仕事をする。」という言葉です。社員を幸せにすることで、会社が自然と成長していくような循環をつくることこそ、経営者の大事な仕事だと気づいたのです。思えば、朝日信用金庫でも周りのサポートといった温かい環境があったおかげで、そうした循環が自ずとできていたのでしょう。その素地作りを自分が行わねばと思いました。
さらに、信金時代を振り返って感じたのが、「大きな成果は、常に仲間と共に成し遂げてきたもの」だということでした。自分が表彰などの実績を挙げられていたのは上司や同僚の力があってこそで、社員と力を合わせることの重要性を改めて実感したのです。
―具体的にどういったことに取り組まれ、どのような成果を出すことができたのでしょうか。
東和自動車/大山社員とのコミュニケーションの再構築に取り組み、幹部社員と共に考え、実践していく体制へと変えました。日頃の会話から、社員の考えを丁寧に聞くとともに、自分の思いも率直に伝えることに努めています。実際に社員の声から生まれた独自の福利厚生も多く、誕生日にはホールケーキをプレゼントしたり、夏季の業務中はアイスクリームを食べ放題にしています。すると業務においても社員発信で新たなアイデアが生まれるようになるなど、良い循環ができてきました。以来、退職者はゼロです。業績も向上し、売上高はこの4年間で約2倍に成長。新規来店数も400組を突破し、お客様の若返りも果たすことができています。
―改めて、今の経営で活きている「朝日信用金庫時代の力」は何でしょうか。
東和自動車/大山大きく3つあると思います。一つ目は、「地域のお客様に寄り添い、誠実な姿勢で信頼関係を築く」ことです。朝日信用金庫では行動指針の一番目に「地域を愛し、地域を歩き、地域の明日を考えよう。」と掲げていますが、その元となっているのは「信頼関係の積み重ねこそが成果につながる」という考えで、これは現在の経営スタイルに深く影響を与えています。
二つ目は、「チームで成果を出す」という価値観です。このおかげでワンマン経営を改め、社員一人ひとりの声に耳を傾け、共に会社を創っていくという姿勢になることができ、良い循環を起こすことができました。
そして三つ目が、「ひたむきさ×地道な努力×達成への執念」というセットですね。組織や業務の変革に取り組むには、根気や労力、時間が不可欠。毎日の愚直な努力の積み重ねの先にこそ、本当の成長や信頼があるのです。また、これらを成し遂げるには「一緒に向き合ってくれる仲間」の存在が大きく、それも朝日信用金庫の力だったと思います。
―具体的なスキルセットとして、役立っていることはありますか。
東和自動車/大山「数字を読む力」ですね。BS、PL、CF(※)という経営の数字を自ら読み解き、そこから戦略を立て、具体的な計画に落とし込み、実行・改善する。このプロセスを粘り強く重ねることで、今では健全な財務体制を築くことができています。この数字が自分で読めるので、専門家に相談する時間をかけずにスピード感を持ってこのサイクルが行えるわけです。どんなビジネスを行うときにも役に立つ、汎用的な能力といえるでしょう。
これは営業職として「何百社もの決算書を見てきた経験と時間」の賜物であり、信金時代に培った財務分析力の重要性を改めて実感しています。何しろ、仕事を通して「人生の大先輩」であるさまざまな経営者にお会いして直接話が聞けるわけで、これができるのは、地域に根付いた金融機関である信金だからこそ。そんな風に多くの方に信金での業務を通して、自身のバリュー向上を果たしてもらいたいですね。
※BS(貸借対照表)は企業の資産、負債、純資産の状況を、PL(損益計算書)は一定期間の収益と費用から利益や損失を、CF(キャッシュフロー計算書)は期間中の現金の流れを示す財務諸表です。これら3つの表は相互に関連しており、合わせて見ることで企業の全体像をより深く理解することができます。
―最後に、就活生にエールをお願いします。
東和自動車/大山お話したとおり、私は朝日信用金庫の10年間で、地域への寄り添いやチームワーク、努力の積み重ねなどの大切さを学びました。また、経営の数字を読み解き、実際に数多の経営者と触れ合う機会を得られたことも、経営者としての現在に大きく役立っています。そんな風に、朝日信用金庫ではさまざまな学びが得られますので、インターンシップの「1day仕事体験」や選考を通して、ぜひあなたが目指す未来に役立つヒントを朝日信用金庫で見つけてみてください。

*掲載内容は、インタビュー当時(2025年11月)の内容です。